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2010年08月09日

出穂

先週は所用で3日ほど家を空けておりました。百姓が(というよりは私が)家を空けますと留守中に何かアクシデントが起こることが多いのですが,今回は特に大きな事故もありませんでした。

とりあえずは帰ってすぐに田畑を見回ってみますと留守中に稲の穂が出始めておりました。悪い出来事ではないのですが,毎日田んぼを見て回っていただけに初めて出る穂を見損ねたのは少し残念です。

それから数日,例年よりはペースが遅めながらも少しずつ顔を覗かせる穂の数も増えてきております。どうも今年はダラダラと少しずつ穂が出てくる様子です。

これから1ヶ月以上かけてお米が実っていくわけですが,穂ばらみから含めて約2ヶ月をかけて稲もその子孫をこの世に生み出してその生を全うするわけです。

その間,病気に犯されて死んでいくものもあります。虫の被害もあるでしょう。今少々気になっているのは台風4号。うちの稲は元気に育っていますので,少々の風や雨で倒れてしまう心配は少ないのですが,受粉期に強風が来ますと花粉がすべて飛ばされてしまって不稔という可能性もあるのです。現時点で一番怖いのはこれですね。稲が開花して受粉する時間は非常に短いものですからその一瞬を襲われるとおしまいです。

稲に限ったことではありませんで,この自然界に生きるあらゆる生命はこうしてありとあらゆる危険にさらされながらその中で新たな命を生み出していくものです。
と,こういえば聞こえがいいのですが,この「危険」というのもただ単に我々人間が勝手にそう思い込んでいるだけのことでして,それらも含めて大いなる流れの一環でしかないんですね。

リスクをあおられてばかりの現代社会ですが,それを「危険」と受け取るか,当たり前の営みの一部として受け入れるかによって,生き方はもちろんその結果まで大きく変わってくる気がしています。

人間だけがその「危険」をゼロにできると勘違いし,驕り,逆に自らの首を絞め続けている気がするのは私だけでしょうか。稲は植えられた場所から逃げられません。だからかどうかは知りませんが,すべてを受け入れ,その中で精一杯その生を全うしようと生き抜いているように見えてなりません。当然自然農法を目指す私としてもその稲に対してあれこれと手を出すことはしませんし,ひたすらその生命力を信じて見守るのみであります。自然を信じるか否か,そして私たちもその一部であり,全体でもあるという自覚をもてるか,その一点にかかっているのかもしれません。

ちょっとした病気の兆候やいつもと違う生育の仕方にヒヤヒヤドキドキしている時点で,私もまだまだですが・・・

2010年08月09日 17:53

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Comments

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投稿者 asSicmvsg2 : 2016年04月13日 23:33

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投稿者 kstrilpqll : 2015年11月10日 02:02

わださん,
こちら台風による被害も特になく,稲も野菜も元気です。まだまだ暑い日が続きますので,田舎でゆっくり涼んでくださいね。

投稿者 kenzo : 2010年08月12日 19:53

 台風が去りました。農業は自然相手だけに、気温や天気だけでなく、気になることがいっぱいですね。さて、今日の夜には岡山県北部の田舎に帰省です。
ブログ→「そんな時代も・・・。」をご覧ください。

投稿者 わだはるくにより : 2010年08月12日 09:49

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