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2007年06月29日

ミートホープに見る現代食品考

雨が降る降るという割にはここいらではそれほど降りません。田んぼに入るのに合羽を着るかどうかも迷うくらいで、着ると逆に蒸れて服がずぶ濡れになるので、それなら暑くないだけましかと合羽無しで田んぼに入る次第。結局は濡れるほど降らなかったんですけどね。

ただいま田んぼの除草が勝負どころに差し掛かっています。なんとかこの一週間を乗り切れば豊作を期待できそうな気配がしてきました。

さて、今日のタイトル、論文調になってしまいましたが単に随想です。

最近やたらとニュースや新聞を賑わせてきたミートホープ。次から次へと詐欺的な行為が露呈していますが、当の社長は「消費者側にも問題がある」と開き直る始末。

私思いました。ミーとホープのやっていたことは正義に反することですが、社長の開き直り方にも否定できないところがある、と。

そもそも消費者は売られているものに書かれている謳い文句を100%鵜呑みにしているのだろうか。もしそうであり、それを裏切られたからといって被害者面をするのであれば、あまりにも考えがなさ過ぎるといわざるを得ません。

例えば大豆製品。大豆の国内自給率は5%を下回っています。にもかかわらず「国産大豆」と表記された製品が氾濫している時点でおかしいと思いませんか?ここには食品表示法の抜け穴がありまして、かろうじて法には抵触しない売り方ではあるのですが、消費者に勘違いを起こさせている点では詐欺まがいということに変わりはないわけです。

加工食品においてはほぼ100%の割合でこんなものばかりといってもいいでしょう。生鮮品においても似たような宣伝の仕方などいくらでも見当たります。

一つ断っておきますと、ミートホープのやったことを認めているわけではありませんよ。私が問題にしたいのは売る側の誠意の問題です。
現代は経済至上の風潮が蔓延しておりまして、いかに儲けるかという視点からしかあらゆる発想が行われていません(全ての人ではなくこれは商人レベルでのことですが)。

そうなれば当然儲けを増やすためにあれこれ策を講じるわけですが、ミートホープになるか所謂「優良企業」であるかはとどのつまり法に抵触するか否か、という一点だけでしか判断できない人が多すぎるのです。

「安い物には訳がある」といいますが、現代はその訳が見えないところに隠されてしまい、買う側もそれを見極めようという心がなくなってしまいました。売る側にとって見ればこれほど楽なことはありません。

何の根拠もなくとも「安心・安全」なんて書いてあったらそうだと思う人、やばいですよ。本当に安全なものをつくる人はそんなことを売り文句にはしません。当たり前のことですから。

さてさて、そろそろまとめなければ・・・
結論はこう。
①ミートホープのやったことは詐欺以外のなにものでもなく、モノを作る立場の人間としては最悪のことをしている。消費者が安物を望むのであれば、その間違った認識を正していくのが真の企業努力であり、そうしてまじめにものづくりに励んでいればちゃんと理解してくれる顧客が付くのである。

②自分達の買っている商品について消費者はもっと勉強する必要あり。その努力無しにいつも被害者面だけをしていても誰も助けてはくれません。相手は法律を守った上で騙しにかかっているわけですから。

「食」のことを考えると本当は「何を」「いつ」「どのように」食べるかという問題を取り上げたいのですが、現代はそれ以前に上記のような詐欺師との戦いを乗り越えなければならないわけですから大変な世の中です。

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2007年06月26日

蒸し暑い・・・

ここ2~3日やたらと蒸し暑い日が続きます。6月にして既に扇風機を出したくなるくらいです。

おまけに例年だとありえなかったことなのですが、既に蚊に悩まされ始めました。電気を消して「さあ、寝るぞ」という段になると耳元で「プーン」とあの嫌な音が・・・
それも決まって早く寝ようとしているときに限ってです。早く寝ようということは当然疲れている、少し寝不足気味である、というときなのですが、蒸し暑さもあいまって寝起きの満足感は物足りません。

この蒸し暑さも「梅雨らしい」「夏らしい」と言えばそうなのかもしれませんが、時期的にもそれまでの気候からの落差から見てもやはり異常ではあります。今年の夏はどうなっていくんでしょうか・・・

でも、今日配達で広島に出てみて思いました。あの蒸し暑さと比べるとまだ山奥はましだな、って。広島にいた間は体はだるい、頭はボーっとする、やたらと眠たい、と体調が崩れかけているのかと思うほどの状態だったのですが、こちらへの帰り道、峠を一つ越えるごとに頭がすっきりしてくるので単に暑さにやられていただけのことだったようです。

雨はもう少し欲しいところですが、この蒸し暑さは何とかならないもんかな・・・

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2007年06月20日

玉葱

今日は中学生の職場体験3日目。玉葱の収穫をしました。

今週はひたすら雨の降る予報が続いていたはずなのですが、蓋を開けてみると全く雨は降りません。うちに来ている中学生のうち一人がものすごい「晴れ女」らしいのですが、見事に晴れます。
今朝も雲が厚く垂れ込めていたのですが、彼女らが来たくらいから日が射してきました。おかげで無事玉葱の収穫もできたわけですが、野菜の生育を見ていると雨が欲しいところです。気温は上がってきているのですが、雨がない分もう一伸びがありませんね。

実習3日目に入り、彼女達の言動が見違えるように変わってきました。初日にかなりうるさいことを言ったものの、これほど早く、しかも素直なレスポンスには全くの想定外でして、驚きと共にかなり嬉しい気分にさせてもらえました。

明日も雨が降る予報になっています・・・が、またまた降らなかったら次はニンニクの収穫です。飛び入りで明日だけ男の子二人も来ることになっています。賑やかになりそうです。

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2007年06月19日

ケツの毛

今日は中学生と共に配達に回りました。彼女達にいろいろと声をかけてくださった消費者の皆様、ありがとうございました。

さて、今日の話は職場体験のことではなく、私の懐事情です。

先日入院していたトラクターの修理代の請求が本日来ました。予想をかなり上回る金額に愕然。加えて先日車のブーツも修理していますので、この修理代も今から請求される予定。

今年の春の段階では、秋までそこそこ余裕を持って過ごせる懐具合だったはずなのですが、先月来思わぬ出費がかさんでおりまして、気が着くと底をつきかけております・・・

これも定めなのか、どうもお金というものは私の元には留まってくれそうにもなく、あればあっただけ出て行くようにできているようです。

映画『紅の豚』の台詞の言葉通り、まさに「ケツの毛まで抜かれて、鼻血も出ねえ・・・」といった状況にまで追い込まれてきました。

貧乏は我が生活の大前提ではありますが、どうも毎年この「ケツの毛まで抜かれ」る所まで追い込まれる時期が一度はやってくるのには少々参りますね。

さあ、またしばらくは財布の紐を締めなおしてケチケチ生活(通称「SECO LIFE」)の巻きなおしです。本格的に夏野菜が出始めるまでにはもう少しかかりそうですからね。

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2007年06月18日

職場体験

長らくサボっておりました・・・それなりに忙しい時期ではありますが、更新する時間がなかったというほどのものではなく、単に私の気分が乗らなかっただけのことでした。

今日も気分はそれほど乗っていないのですが、頑張ってかいてまっす!

さて、今日から地元中学校の職場体験学習が始まりまして、私のところでも2名の女の子を預ることになりました。

職場体験ということで学校側からは「何でもいいから働かせてくれ」というご注文ですが、はっきり言って今時期の中学生が「働き手」には到底なりえません。

ということで、私のところでは自然農と食についての体験学習的なものにしようと思いレクチャーを交えながら農作業や昼食作り・食事といったことをすることにしました。

時間は9時~15時というのが基本です。今日は初日ということで始めに簡単なオリエンテーションをしてから田んぼの除草作業をしました。途中、昼食もみんなで作って食べました。

で、一日目を終えての感想。
「学習プランを根本的に改変する必要あり」です・・・

体験から何かを学び取るという次元ではありませんでした。学ぶ姿勢、もっと言えば生きる姿勢そのものをたたきなおす必要ありです。ということで初日から小姑のようにかなり口うるさいことを言っておりました。少しかわいそうな気もしますが、私としてはこのままの状態で放置するなんてことはとてもできませんので、喜んで嫌われ役でも買って出ます。

この子達の名誉のために言わせてもらいますと、うちに来ている女の子が格別出来の悪い子というわけではなく、むしろ所謂「いい子」の類です。

私がうるさく言うことはこれまで誰からも注意されたことのないことなのです。作物・食べ物に対する心持、所作、働く(学ぶ)姿勢、などなど近年では家庭や学校で絶滅危惧種となっている「食育」「徳育」に関わる部分ばかりだからです。

おそらく彼女達は「このおっさん何言ってんだ?」的な感覚でまだ理解不能なことばかりだとは思いますが、そこはそれ、田舎の子の特権である素直さは持ち合わせておりますので話ほどは聞いてくれます。

さてさて、金曜日までの5日間、一体どうなることやら・・・

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2007年06月08日

草むしり

今日は午後から雨の予報。
が、蓋を開けてみると午前中曇、午後から晴れという天気。

田んぼの除草機作業が少し早めに終わったので、夕方レタス畑の草むしりを。

これじゃあどこにレタスがあるのかよく分からないと思いますが、草の中でも元気に育ったおります。
このまま放っておいても充分立派なレタスになってくれそうな勢いなのですが、この畑にはオナモミやシロザといった後々厄介になる草が結構生えているので「むしる」ことにしました。

あくまでも「草取り」ではありません。生えている草を鷲掴みにして地上部だけをまさに「むしる」のです。「根こそぎ」きれいに草を取ろうなどという気は毛頭ありません。
そんなことをする時間も労力もアホくさくって。

だって、そこまでしても「むしる」だけでも結果は変わらないわけですから。

で、むしったらどうなるかというと・・・

レタスがお目見えしました。これで充分でしょ。

時間も30分程度で終わりましたし、夕方のちょっとした時間でいい仕事になりました。
それにしても雨が降らないなあ・・・

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2007年06月07日

大根生姜番茶

最近お疲れ気味の私、先日の配達のときに消費者のひとりから聞いたことを思い出し、試してみました。

大根、生姜をおろして、しょうゆを少し、そこに番茶を注いで飲むというもの。

効きます!

生姜も大根も結構辛いので、熱いと飲むのがきついのですが、冷まして飲むと飲めます。初めは少しゲテモノを口にする気持ちだったのですが、飲んでみるとこれが意外といける。疲れた体が欲していたのでしょうか。

栄養剤やサプリメントなどを飲むよりも間違いなく体にはいいですね。よくよく考えてみると我々の体をいたわってくれるものは身の回り(自然界)にいくらでもあるものです。何も石油から作られたものを買ってまで口にしなくてもよかったんですよね。

こうして少しだけ食べるもののことを気をつけるだけで身も心も軽く、楽しく日々を送れるわけですから「医食同源」とはよく言ったものです。

でも裏を返せば私の食生活もまだまだ至らなかったということにもなりますね。百姓でありながら恥ずかしいことです。

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2007年06月06日

悪夢

今朝はさすがにへばっておりました。朝、さくらの散歩からかえってからあまりにも体が重たいので二度寝しました。で、その時見た夢・・・

田んぼの畔のような狭い道を歩いている私。道の脇にはたくさんの穴が開いていて、そこからシマヘビがうじゃうじゃと頭を出しています。
足で追い払うと穴の中に引っ込むので、そうやってヘビを引っ込めながら前へと進みます。が、途中からヘビの数も穴の数もどんどん増えてきて、挙句の果てには穴に引っ込んだヘビも私が進もうとするとすぐに頭を出してくる始末。
後ろを振り返るときっと道中ヘビだらけなんだろうと思うと振り返ることも出来ず、このヘビ一体どこまで続くんだーーーー・・・・

といったところで目が覚めました。

なんなんだ、この夢は・・・

ま、二度寝のおかげで体は楽になったので今日から3回目の除草機作業に突入できたわけですが。

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2007年06月05日

早まったか

今日は曇。朝の天気予報では今週近々いつ雨が降ってもおかしくないような感じでした。

配達から戻って時間は15時前。近いうちに雨が降ってくれるんだったら、と思い切って果菜類の苗を畑に定植することにしました。

すると16時過ぎからどんどん晴れてくるではありませんか。一応植えたあとには一株ずつ水をやっておきましたが、夕方家で天気予報を見ると明日、あさってと晴れる予報。

こりゃあ、明日も水をやらないといけないな・・・ひとたび畑に植えた苗に水をやるのって結構手間なんですよねえ。灌水設備なんてないから水路からバケツで水を汲んでは柄杓で一株ずつ撒くんです。

ちなみに今日植えた苗はキュウリ・ピーマン・なす・米ナス、各50株、計200株ですから上記を200動作繰り返すということです。30分以上はかかります。

私、基本的には畑に植えた野菜には水は一切やらない主義なんですが(つまりは雨頼み)、移植直後の値が張るまではどうしても水をやっておかないと枯れてしまいます。だからいつも雨の降る時期を見計らって植えていたのですが、今回はタイミングを誤ったようです。

逸る気持ちに流されるままに動いてはダメですが、充分な状況判断ができずに軽々しく動いたときというのはたいていこんな結果になるものです。あとから少し冷静になって考えればなんでもないことなのですが、その少しのことができないときというのがあるもんです。

昨日あたりから少し上ずったような、腹に力が入らないような妙な感覚には気付いていたのですが、こういうときです、無意識のうちにおかしなことをしているのは。

さて、苗を植えた端から早速こんな虫が寄ってきていました。↓


写真はネット上から拾ってきました。上が「ウリハムシ」、下が「コガタルリハムシ」です。今日ネットで調べるまで、こいつらの幼虫を私はコナガと間違えていました。

ウリハムシはその名の通りキュウリの葉っぱをやたら食い漁ります。コガタルリハムシはいつもスイバやギシギシを好んで食べているのですが、今年は草刈後でスイバの数が少ないので野菜に来るかも・・・

ここまで来れば後は畑の環境(生態系)と野菜の生命力に任せるしかありませんので、私は見守り祈るばかりです。春からの私の行いがここに集約されてくるというわけです。

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2007年06月03日

怪我の功名?

昨日の天気予報では・・・
土曜日=曇
日曜日=雨

ということでしたので土曜日のうちに畑をやろうと思っていると朝から雨・・・仕方がないので田んぼに入ることに。

で、田んぼに入っていると一向に雨が降らなくなった・・・でもやり始めた以上途中で畑に切り替えるのも癪だし、時間も中途半端で畑仕事が片付くほどの時間も確保できない。ということで結局土曜日は一日中田んぼを歩き回って除草機を押しまくっていました。

おかげで土曜日で除草機作業2回目が無事終了。かなりへばりましたが・・・やはり除草作業は半日が限界ですね。

で、今日、日曜日。天気予報が変わり
日曜日=曇
月曜日=晴

となってまして、雨は木曜日ごろまで降らない予報。野菜の定植後には雨が降ってくれないと困るので今日もキュウリやナスなどの定植は諦め、黒豆などの種まきだけを済ませることに。

一応キュウリなどを植える場所だけは準備したので、これでいつ天気予報が急変しても対応できます。

トマトだけはハウスに植えるので雨は関係なく、ホースを引いて水をやるので今日定植しました。

昨日は天気予報が全く当たらないし、一日中田んぼを歩き回っているとしんどいし、で少々面白くなかったのですが、そのおかげで今日と明日は畑にかかりっきりでいられるわけです。

結果的に見るとなんとかうまく廻っているわけでして、こういうのも「怪我の功名」というのでしょうか・・・?

思うようにいかないことばかりなのが百姓の世界ですが、人間の都合のいいようにすべてを進めていくという傲慢な発想ではなくその時その時の気候や周囲の環境、自然界の姿などに流されながらも、その中で自分のなすべきことを見つけてコツコツと生きていくというのが当たり前にならないと一人前には成れませんね。

まだまだ傲慢さが抜け切らない自分に気付かされるばかりです。

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2007年06月01日

実験、実験・・・

田んぼに油をまいてみました。テンプラ油の廃油です。

事の発端は隣の鉄山さん。今年は田植え直後からイネゾウが大発生したので退治するために油をまいたわけです。

油は水面に幕を作り、多面全体に広がっていきます。その油の幕に落ちた虫は気門をふさがれオダブツという次第。

ところが田植え間もない時期だったために水没していた稲にも油が付着。哀れその部分の稲は消えてなくなりました。

そこで私達の見解として、稲が死ぬのであれば草も死ぬかもしれないということになり、稲がそこそこ伸びてきたこの時期に試してみようというわけです。

稲には被害がでないように水は少し落とし気味です。草は除草機でそれなりに押さえていますので水面上に顔を出しているようなものはいません。

さて、結果がどうなるか。これでうまく草が消えてくれたら大助かりです。なんせこの田んぼはもう手で草取りをしなくていいわけですから。

まあ、そんなにうまくいくとは思えないのですが、ダメでもともと、いろいろと試してみないとね。

廃油を使っての虫対策、病気対策はこの近辺では誰もやっていません。まあ、薬を使えばその必要もないだろうし・・・
ちなみにこの手段は江戸時代の農業書の中でも紹介されていましたのでかなり古くからの技術だったようです。

でも江戸時代の人って昆虫や病菌のメカニズムなんて今ほど解明されていなかったと思うんだけど・・・やはり百姓の観察眼というのはたいしたものです。
そのくらいの熱意が今の百姓にもあれば国の言いなりにならずに立派な百姓になれるんだろうな。

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