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2005年02月26日
2005年02月25日
直線的なエアフローを確保する-SST-TJ06を試す

SST-TJ06.bmp

マザーを上下逆に設置する“直線エアフロー”ケース――SST-TJ06を試す (1/4)

CPUは電源の下あたりに、PCIブラケットはケース下部に、そして作業時は左側パネルを開けて行う……そんなATXフォームファクタ製品の常識をコロンブスの卵的アイデアで覆した“直線エアフロー”を採用するPCケース、SilverStone「SST-TJ06」をチェックした。

 SilverStoneというメーカーがある。とりわけ日本では、比較的高級なPC用電源メーカーとして一部で評価が高くなっている。

 PC電源系メーカーとしては認知されはじめた同社だが、ここへきてPC用ケースなどの関連製品へも力を入れている。例えば、一部ハイエンドユーザーに知られるFalcon Northwest社との共同企画である「FragBox」のケースもSilverStoneによるものだったりする。

 今回、同社の「SST-TJ06」というミドルタワーケースを試用する機会を得た。従来より、同社の電源製品を見るところでは仕上がりのよさに定評があるだけに、ケースのでき具合も気になるところだ。

ジンギスカンの名を貰ったミドルタワーケースシリーズ
 今回試用したは、タワー型ケース「Temjin」シリーズの一つ「SST-TJ06」とファンレスCPUクーラー「SST-NT01」である。Temjin(テムジン:鉄木真)とはチンギス・ハーン(成吉思汗)の幼名で……などということはどうでもよくて、PCケース界のチンギス・ハーンを目指していると言うことで勝手に理解しておこう。

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2005年02月24日
「PENCK」完成までの道のり

誰1人が欠けても作れなかった~「PENCK」完成までの道のり

PENCK.bmp

 au design projectの“BREW+WIN端末”として登場した「PENCK」(ペンク)。全く角のないオーバルデザインのボディ、独特な表面の質感、白で統一した付属品など、製品の持つ世界観にこだわりぬいた端末だ。
 au design projectを率いる小牟田啓博氏は、「誰がどんな苦労をしたかは、お客さんにとってはどうでもいい話。“いいと思ったもの”というフェアな判断をした中で買ってくれるわけですから」と話すが、PENCKが形になるまでに並大抵ではない苦労があったのもまた事実だ。
 「関わった人たちの誰1人が欠けてもPENCKはできなかった。チームワークと根性で作った」(小牟田氏)というPENCK完成までの道のりを追った。

●サイトウマコト氏が持ち込んだ“ラフスケッチ”が始まり

 始まりは、サイトウマコト氏が持ち込んだ1枚のラフスケッチだった。

 「ピカピカでつるんとした、小さいLED以外は何もないようなもの。サブ液晶やカメラといった要素が見えないラフスケッチをKDDIに持ってきてくれた。『今の携帯は過度にデザインされすぎているのではないか。手を入れたことを感じさせないデザインの携帯をやろうよ』と」

 描かれた原画は、ディティールもサイズも決まっていなかったため、サイトウマコト氏に六面図を依頼。正面と裏、両側面と開いたところの正面を描き起こしてもらった。これを小牟田氏とプロペラデザインの山田悦代氏が、実際の携帯電話の形に落とし込んだ。

 「山田さんが図面を引く横に張り付いて、『もう少し角をこうしてみよう』『幅を狭めてみよう』とアドバイスしながら進めた。ラインドローができたら、彼女の工房にある工作機械でモックアップを作って。『ちょっと大きい』とか『ここの角が当たる』といったことを際限なく繰り返している。そこにだんだん(製造メーカーである)日立の設計の人たちが加わって、miniSDやメガピクセルカメラといったファクターを集約していきながら形を作っていった」

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●メタルのつやを出すには、まず金型から

 PENCKを象徴する存在に位置づけられるのが「メタル」だ。端末のすべての面に、つややかな金属メッキが施され、背面の映り込みには一切の歪みがない。「蛍光灯が、シャープにピシッと映るようなメッキ表現にしたい」という小牟田氏の要望は、金属メッキで実績があるトウプラスが「2年半後には、こういうオーダーが来るだろう」と思っていた、まだ先の技術だった。

 「今回の金属メッキをオファーした、日立の上杉さんと森田さんというエンジニアが(カシオ日立モバイルコミュニケーションズの機構設計グループ リーダーの上杉雅樹氏、森田博氏)、トウプラスから『本当にやるんですか』と、何度も念押しされたと聞いている。『僕たちが苦労するだけじゃないですよ、最終的には(型を作る)あなたたちが苦労しますよ』と。あれだけのつやを出すためには塗装面となる樹脂の成型にもデリケートな注意を払う必要があるので、覚悟が必要だった」

 塗装をのせる面をパーフェクトにしておかないと、どれだけ素晴らしい塗料や処理を施しても、ゆず肌(塗装面に凸凹が出てしまう現象)で歪んでしまう。そのためPENCKでは、金型の作り方も特別な手法を使った。

 「メッキをすると、若干の面の歪みも拾ってしまうので、金型から対策しておく必要があった」。特別な手法とは、金型に超高速切削カッターで直彫りするというものだ。

 「普通はカーボングラファイトか銅で、3次元のデータ通りの型を作り、それを金型になる型に油の中で放電して金型を作る。雄型(マスター)を作って雌型を作るというようにワンクッションを置くことで、ミスがあったときに修正できるし、リスクも回避できる」

 「ただこの手法では、放電しているときに形状が歪むことがある。また放電した後には、どうしても職人が手加工で金型に磨きを入れなければならない。いくらプロの職人とはいえ、人の手が入るとやはり歪んでしまう。そこで出てきたのが、超高速カッター。金型に直接、データ通りに彫ることをしようと。そうすると、いきなりピカピカの状態で彫れる」

 この手法は、PENCKの顔ともいえる背面に使われている。「主役の部分だけは超高速カッターの一発勝負で。いきなりジョーカーを切るようなものですが、これ(主役の背面)がアウトなら、ほかのどのカードでも負ける(ほかの部分がどんなにきれいでも意味がない)。やり直しがきかないためリスクが高いが、これで勝負しようと」。こうしてなめらかな背面の型ができあがった。

●“二番手、三番手が真似できない”金属メッキ表現を

 背面のつややかな金属メッキも、最初は「ここまでのつやは出せないといわれた」と小牟田氏。「つやを落とせば落とすほど、ゴミやゆず肌が目立たなくなる。『7分つやくらいにしてあきらめてください』と言われたが、そこは譲らず『10分つやで』と、お願いした」

 あまりに難しいオーダーにくじけそうになるスタッフたちを、こんな言葉で励ましたという。

 「このアイデアは、誰もがやりたいと思っていながら、技術的に難しいと説明を受けてあきらめてきたもの。それは根性や度胸がなかっただけの話。これをやり遂げれば、本当に評価されることは分かっているから、半端なものは出したくない。どうせやるなら、2番手、3番手が真似しようという気も失せるくらい、素晴らしいものを作ってぶち抜こうじゃないか。僕が苦労話をして回るわけじゃないが、製品を見たお客さんには絶対に伝わる」

 端末の端の部分から、だんだん歪みのないメッキ表現ができていったが、真ん中は面が波打ってどうしても“ゆず肌”になってしまう。「これなら──といって何回もサンプルを持ってきてくれた。でも『確かに前回のよりは良くなっているけど、このへんにまだゆず肌が残っている』と。こうしたやりとりを、これでもかというくらい延々と何十回も繰り返して、最後の最後に滑り込みセーフでパーフェクトなものができあがった」。仕上がるまでには小牟田氏も日立の技術陣も、トウプラスのある秩父に何度も足を運び、研究所のある中国にも行ったという。

 「金属メッキが仕上がった中国で、関わった人たちと軽い打ち上げをやった。このときに、金属メッキの現場を仕切っていた高山さんが(トウプラス技術部の高山幸一課長)、『お客さんに対していいもの作りたいっていうのに、俺、しびれちゃってさ。俺の職人人生、賭けちゃったよ』と言ってくれた。気持ちが伝わったんだなと思って、このときは泣きそうになった」

●カスタマイズを楽しむ携帯に

 PENCKは「特別なデザインだと主張するものではない」というのが、サイトウマコト氏と小牟田氏の共通した考えだった。

 「もっと深い部分で、人の気持ちや人と物との関係を考えるからこそ、こういう(シンプルな)デザインが必要だと考えていた。さりげなく近くにいてくれて、決して主役じゃない。どんなシールを貼ったり、ストラップを付けたりしても成立する、いわばカンバスのようなもの。ユーザーが楽しいと思う世界観でつきあえるものを提供してあげるのが僕たちの務めじゃないか」

 背面がシンプルなのも、完璧な表面処理を施したのも、こうした考え方に基づいたものだと小牟田氏。「画面のデザインも、凝ったアーティスティックなものではない。さらりとしていながらも、きらっと光る一発のセンスに頼るような見せ方。(サイトウマコト氏が)プロ中のプロという表現を見せてくれた」

 内蔵の着信音は「メロディを排除したほうが、PENCKの純粋さが際だつ」ということから、音階を感じさせない音を入れている。内蔵の着信音を作曲したのは、カシオ日立でカシオ端末の戦略推進グループリーダーを務める濱島秀豪氏だ。「カシオ端末に内蔵される着メロは、よくあるクラシックに頼るのではなく、彼がオリジナルで作ってきた。さまざまなベクトルの音をまんべんなく出せる人で、彼を使ったら面白いと思った」

 人が話す様子をイメージした着信音や、近未来風の開閉音やシャッター音など、一風変わった音がプリセットされている。

●トータルで置いてあるたたずまいを大事にしたかった

 PENCKは、充電台やACアダプタ、ステレオイヤホンといった付属物が白で統一されている。特にACアダプタを白くするのは、携帯では例のない試みだ。「トータルで置いてあるたたずまいを大事にしたかったので、白か透明で作れないかと検討してもらった」

 最初はNGだったが、「今後au端末で使う標準品も、意図を持ってきれいに作っていきたいと考えている」と説得したところ、OKになったという。「黒にすると、完成度がイマイチ。白にすることで、愛情を持って作っている感覚が伝わった」

●すべてが完璧でなければならない、箱根細工のようなもの

 PENCKの開発は「この部分が一番大変ですというのはない」と小牟田氏。「どこかに四角い部分が出てしまうので、あきらめてください──というデザインじゃない。すべてがパーフェクトでなければならない箱根細工のようなもの」

 この形を表現するためのテクノロジーと、それを実装するエンジニアリング──技術の素晴らしさがこの形を作ったと話す。

 「既存の技術では、ここまでパーフェクトにはできなかった。日立の上杉さん、森田さん、プロペラの山田さんと僕、そしてこの端末開発に関わったすべての人たち──。誰か1人が欠けても、絶対に作れなかったし、根性がなければできなかった。チームワークがこれを成し得た」

■さらに画像の入った記事はこちら
  http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0502/24/news018.html

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http://www.itmedia.co.jp/mobile/

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